夏はとかく疲れやすいといって栄養ドリンクを飲んだり、ウナギなど
の栄養によいと思われる食事をしますが、一番大切なことは、日常
の生活改善を行い、生活習慣病などといわれる病気の原因を避ける
ことです。
昔から、その地方に伝わることが、その地方に生活する
人にとって最適なことなのです。 最近新しく開発された健康法に
優れたものが沢山ある訳はありません。東洋医学から見た健康法
をまとめてみますので、みなさんの健康に是非お役立てください。
①規則正しい生活をしましょう。
四季の巡りをよく観察して、太陽のエネルギーを十分取り入れる
ことが大切です。夏は暑いからといってクーラーで冷やした屋内で
過ごすだけではなく、早朝の涼しい時間を利用して軽い運動で
汗を流すことが大切です。 昼の一番長い季節です。
大いに体を動かすことが大切な季節です。
②食事は、必ず規則正しく、1日3回食べましょう。
朝食を抜かないようにしましょう。また、腹八分を守り、良く噛んで
食べましょう。
③食材は天然の旬の飲食物をなるべく食べるようにしましょう。
夏は果物が豊富な季節です。冷たい飲み物は控えて果物や
生野菜などで凉をとるようにしましょう。
④加工食品(人工的に作られた飲食物)は、なるべく摂取しない
ようにしましょう。
加工食品には、色々な食品添加物が使用されています。
昨今、多くなっているアトピー性皮膚炎は食品添加物がその原因
の一つと指摘されています。
⑤夏は井戸水(15℃)より冷たい飲食物は摂取しないようにしましょう。
胃腸(漢方で言う脾胃)は、冷たいものや水分を多く摂り過ぎると機能が
減退します。脾胃は元気を作り出す臓器ですので、元気の元である「気」
が十分作れなくなり、疲労やだるさの原因になります。
⑥自然の変化を体に感じる生活(自然との調和)をするようにしましょう。
夏は暑いのを楽しみながら生活をすることです。
⑦暴飲暴食は無論のこと、心配し過ぎても食欲は無くなります。
イライラ、怒り、不安、心配など情緒の変化をなるべく少なくしましょう。
とは言っても、史上最大の不景気の昨今、平静な感情ばかりでは
生活しにくい世の中です。情緒の変化を三十分以内に収めれば、
健康上には支障が無いといわれています。
笑いと感謝を忘れずに生活したいものです。 つづく
今日は七月一日・・・恒例の朔日参りをしてきました。
春日神社では昨日の夕刻よりの夏越(なごし)祭りがおこなわ
れていて、今朝の境内にも、茅の輪がそのまま置かれていました。
・・・参考写真・・・
夏至のころは一年の内で最も太陽の出ている時間が長く、
夜が短い時期です。
太陽神を頂点とする日本の神道では、とても重要な日です。
ちょうど1年の半分に当たる夏至に、天照太御神様の神気を
日本全国の神社に充填する日です。
神社において、夏越の大祓(なごしのおおはらえ)の行事が
全国で行なわれています。
夏越の大祓では、多くの神社で「茅の輪潜り(ちのわくぐり)」が
行われます。これは、氏子達が茅草(かやくさ)で作られた大き
な輪の中を左まわり、右回り、左まわりと八の字に三回通っ
て穢れを祓うものです。
私も今朝は、この茅の輪をくぐってきました。
はたして、半年間の罪穢れは祓われたでしょうか・・・
身体がだるい・・・疲れやすい・・・
夏は暑さゆえ、消費カロリーが増加し、疲れやすくなります。
東洋医学でも疲労も一つの病気と考え、これを「虚労病」と呼んで
います。 なんだ疲れぐらいとバカにしないで、過労にならないよう
注意してください。
胃腸機能は湿気によって減退します。
暑いといって冷飲をし過ぎると消化機能が衰え、栄養の供給が低下し
体内や消化器官に非生理的な水が溜まるようになって、余計に
だるさを感じるようになります。
冷たいもの、清涼飲料水、果物のとりすぎに注意してください。
つづく
夏場に多い胃腸のトラブル
胃腸には○○漢方胃腸薬・・・というテレビCMをよく見かけます。
このCMを見ていると、胃腸病にはこれがすべてで、漢方だから
安心というイメージを受けます。
果たしてそうでしょうか?
○○漢方胃腸薬と言っている製品の主成分は、ほとんどが
「安中散」という処方です。 でも暴飲暴食で胃が弱っている場合は
安中散には消化を助けるような生薬が何も入っていません。
胃腸病と言っても状態は様々で、胃の粘膜が荒れて炎症を起こし
たり、潰瘍を生じているものもあります。
その反対で、冷えて消化機能が減退して、胃液の分泌の少ない
人もいます。 心配事があると食欲が無くなると言う経験をした方も
多いと思いますが、過度のストレスも胃腸の働きを減退させます。
従って、○○漢方胃腸薬がすべてに効果があるとはいえませんし
反って副作用を生じる場合もあり注意が必要です。
胃腸薬としては、漢方が非常に効果のある場合が多いのですが
処方の選定を誤ると効果を期待できません。
胃腸疾患に、漢方薬を服用する場合は、胃腸の症状や体質を
良く専門家に相談して正しい処方を服用されることをお勧めします。
つづく
夏季は胃腸に気をつけましょう
東洋医学の陰陽の概念では、環境が暑くなると調和をとるために
身体の内部(胃腸)は冷えて、バランスをとろうとします。
江戸時代の名医、貝原益軒先生は養生訓で
「夏季は冷たいものを摂るべからず、熱きものを食せよ」
と言っています。
夏は野菜や果物が豊富に出回ります。 これらをうまく食べることで
十分に熱を冷ますことができます。 日本の夏は暑さだけでなく、
湿度も高くなりがちです。 そのために良く動いて汗をかき、水分の
調節をしていますので、喉には美味しいビールや冷たいものを
摂りすぎると胃腸を冷やし過ぎるだけでなく、胃腸に水滞を生じて
しまい消化機能が低下します。
夏に下痢が多いのは、これも一つの原因なのです。
夏の食欲不振は疲労だけでなく、水分の摂り過ぎに原因している
ことが多いので注意が必要です。 漢方医学では「脾(胃腸)は湿を嫌う」
といって、水分の取り過ぎを戒めています。 つづく
日本の家屋はもともと夏の暑さに対応するように作られました。
風通しを良くし、湿気を防ぐために床を上げ、日陰を作るために
ひさしを出し、部屋の周りには廊下をめぐらせました。
夏は日の出も早くなり、小鳥や動物が早朝より活動します。
私たちも早朝より起きて体を動かすようにすることが大切なのです。
体の熱を発散するために体を動かし汗を出して、体を冷やす生野菜や
果物を多く食べるようにします。
このような生活をすることによって、より陽気をうまく発散
しているのです。
この陽気の発散が不十分だと熱が体内にこもり、体全体が暑く感じ
冷房や冷飲を欲するようになり、これが過ぎると胃腸を壊すもとになり
秋風が吹き始めるころになると、風邪を引きやすかったり
ゼンソクの発作が出やすくなります。 つづく
さて、自然との調和とは具体的にどのようなものなのでしょう。
日本を取り巻く自然には、四季があります。 春夏秋冬と移り変わ
っていく環境に調和した生活とはどうすれば良いのでしょう。
今回は夏の過ごし方について考えてみましょう。
夏といえば、太陽、暑い、汗、海水浴、湿気などを連想します。
すなわち、環境は暑くなって湿度が高くなる。 凉を求めて身体を
冷やす食べ物が欲しくなる。 自然は春に芽を出した草木がより
一層生い茂って、動物は活発に活動する時期です。
昔の人は人間の身体を五つに分類して、肝・心・脾・肺・腎の
五臓ととらえました。 また、春は肝、夏は心、秋は肺、冬は腎が
それぞれ活動する臓器として考え、脾は各季節の変わり目の時
つまり土用(立春、立夏、立秋、立冬になの前のそれぞれ十八日間)
に活動する臓器と考えました。
夏に活発に活動する「心」とは何でしょうか。?
五臓でいう「心」とは、西洋医学でいう心臓を含め、もっと広範囲に
活動をしている臓器と認識しました。
「心は精神、意識、記憶を司る」といって、西洋医学でいう脳の働き
をも含有していると考えていたようです。
また「心」は体のなかで一番、陽気の多い臓器と考えて、心の働きは
陽気が過多にならないように冷却器の働きをしています。 ~つづく~