さて、自然との調和とは具体的にどのようなものなのでしょう。
日本を取り巻く自然には、四季があります。 春夏秋冬と移り変わ
っていく環境に調和した生活とはどうすれば良いのでしょう。
今回は夏の過ごし方について考えてみましょう。
夏といえば、太陽、暑い、汗、海水浴、湿気などを連想します。
すなわち、環境は暑くなって湿度が高くなる。 凉を求めて身体を
冷やす食べ物が欲しくなる。 自然は春に芽を出した草木がより
一層生い茂って、動物は活発に活動する時期です。
昔の人は人間の身体を五つに分類して、肝・心・脾・肺・腎の
五臓ととらえました。 また、春は肝、夏は心、秋は肺、冬は腎が
それぞれ活動する臓器として考え、脾は各季節の変わり目の時
つまり土用(立春、立夏、立秋、立冬になの前のそれぞれ十八日間)
に活動する臓器と考えました。
夏に活発に活動する「心」とは何でしょうか。?
五臓でいう「心」とは、西洋医学でいう心臓を含め、もっと広範囲に
活動をしている臓器と認識しました。
「心は精神、意識、記憶を司る」といって、西洋医学でいう脳の働き
をも含有していると考えていたようです。
また「心」は体のなかで一番、陽気の多い臓器と考えて、心の働きは
陽気が過多にならないように冷却器の働きをしています。 ~つづく~