前回の、黄帝の問い「人は、なぜ寿命を縮めるのか?」の続きです。
③酒に酔っての房事(セックス)は良くない。
酒に酔うと身体が温まり活動的になります。
古典医学では、この状態を「陽気が多い」といい、酔いがさめると
寒くなります。
これは酒が醒める時に体内の陽気(熱や活動力)が余分に取られる
からです。
セックスは活動的なものです。陽気を多く使います。酒の勢いで陽気を
使うとセックスで消耗し、酔い醒めの消耗とで二重に陽気を奪われます。
後日必ず身体や足腰がだるく、冷えて下痢をします。
④春夏秋冬の自然の状態に調和した生活をするのがよい。
自然に調和するとは、「素問」に一貫して述べられている“天人合一”
という思想です。 (過去記事参照)
春夏は気温が高くなり、陽気も多くなります。それに合わせて、人間も
活動的なのが良いです。 ことに夏は適度に汗をかくと涼しくなります。
逆に秋冬は陽気が少なくなる時期です。 静かにしているのが良いです。
活動して発汗すると風邪を引きやすくなります。
このように自然の状態に調和して生活する事が養生法の基本です。
これを良く守ると、真人、仙人、賢人と言われるような人間になり
不老長寿も夢ではないようです。
二千年以上も前に指摘された以上のことは、現代の私たちの生活にも
非常に大切な事柄です。 文明の発達は地球の時間と空間を感覚的に
どんどん小さくしています。 従って余程注意しないと、自然との調和
した生活は出来ないのが実情です。・・・・・つづく