日本の秋は、じめじめした梅雨の湿気もなくなり、焼け付くような
夏の暑さも終わり、一年中で最もさわやかな季節です。
昔から「スポーツの秋」や「食欲の秋」といわれます。
秋は生命力をからだの内側にしまいこみ、今までに身に付けたもの
を発揮する時期で、スポーツの試合や学芸会などの発表会に
ふさわしい季節といえるでしょう。
また、食べ物の少なくなる冬に備えて、実りの秋によく食べて
からだに蓄えておく、動物本来の機能の名残からきています。
秋は陽の気と陰の気が入れ替わる過渡期で、気候がだんだん
寒くなって、日照時間が短くなります。葉が色づいて落ちるため、
人々は心の中で物寂しさを感じ、情緒の不安定や感傷的になりや
すい憂鬱な気持ちになります。
これは乾燥しやすい大気のせいかも知れません。
しかし、秋はすがすがしく、実りの季節でもあります。
収穫を喜び、秋のようにさわやかに過ごしたいものです。
まもなくやって来る冬を迎えるためにも、
このような気持ちが大切なのです。
1.薄着をしない
気の勢いが外向きから内向きに変わるので、皮膚の防衛力が
手薄になります。薄着でからだの熱や水分を逃がしたりして、
かぜを引かないように気を付けましょう。汗をかいたらすぐに
拭いてください。
2.激しい運動は避ける
激しい運動でエネルギーの消費や発散を強めては、自然に
逆行することになり、来るべき冬に向け健康を維持できなく
なります。
3.憂鬱(ゆううつ)にならない
心静かに、気持ちをできるだけ平穏に保ち、心配事や悲しみで
感傷的にならない。もし、そのような気持ちになったら、
カラオケなどで大きな声を出して発散しましょう。
4.眠り過ぎない
長く寝ていると、秋と関係の深い肺気が虚すといわれています。
肺(呼吸器)が弱っている人にとって、体を休ませ過ぎることは、
気のめぐりをますます悪くします。だからといって、睡眠が不足する
ことも決してよくありません。早寝早起きを心掛けましょう。
5.燥を潤すものを食べる
ゴマ、もち米、うるち米、ハチミツ、ビワ、パイナップル、乳製品などの
柔らかいものを適当に食べたほうがよく、胃を益し、唾液の分泌を促し、
からだを潤してくれます。
果物は、水分が豊富で潤す働きがあるように思いますが、
それ以上に冷やす作用が強いので積極的にとらない。
6.旬を食べる
旬のものはハウスものよりミネラルが豊富で、さつまいも、里芋、
じゃがいも、山芋、ごぼう、れんこん、ニンジン、茸、ブロッコリー、
カリフラワーなどの秋野菜を積極的に取りましょう。
ほかに、さんま、いわし、さばなどの魚も脂がのっておいしい季節です。