三連休の最後の日、あいにくな天気になりました。
ゆっくりお酒(焼酎)を呑まれた方も多かったことでしよう。
昔から「酒は百薬の長」という言葉がありますが、
この言葉の出所はというと、古代中国の歴史書『漢書』の
中の「食貨志」という章に、「それ塩は食の将、酒は百薬の長
、嘉会の好、鉄は田農の本」と記されています。
しかし、この言葉は当時、国の実権を握っていた王莽(オウモウ)と
いう人の政治的思惑と深く結びついていました。
中央集権的な政治体制を目指していた王莽は、塩、酒、鉄を
国有化(専売事業化)しようともくろみ、その宣伝に「酒は百薬の長」
というキャッチフレーズを作った。
それが現代まで伝わっているとのこと。
とはいえ、酒が健康維持・増進に様々な効用をもたらすという話
自体は現代科学の目から見ても事実といえます。
アルコールは、血液の循環を良くし、疲労回復やストレス解消に
役立つ。また食欲中枢を刺激するので、食欲増進にもつながります。
風邪のときには、体を温める「タマゴ酒」や「ショウガ酒」を飲むと
良いという民間療法もよく知られています。
漢方では薬味酒として色んな生薬をあわせて薬酒を作って
病気に対応してきました。
梅酒なども薬酒の一つです。
薬味酒もさまざま・・・・(写真中の虎骨酒は現在はありません。)
また、先ごろ「国立がんセンター」によって、お酒の健康パワーを
具体的に裏付ける調査結果が発表されました。
それによると、一日当たり、日本酒にして一合以下の飲酒量の
人は、まったく酒を飲まない人に比べて死亡率が低いということ
です。二日に一合程度だと、死亡率はさらに低くなります。
一方、毎日三合以上飲む人は、まったく飲まない人より、
死亡率は高くなることも明らかになっています。
酒が健康に良いのは確かですが、「適量」を超えると毒にもなる
ということを忘れないでください。
漢方的な考えでは春は肝が一番過酷に働かされる季節です。
日頃、肝臓の弱い方にはつらい季節になります。
漢方でいう所の肝は肝臓だけでなく胆のうや自律神経それに
筋肉、目なども含まれます。
肝が弱ると目の異常や身体の疲労や脱力感が起こります。
また春には自律神経が失調しやすくなります。
精神的にはイライラや不安感、情緒不安定、パニック、
鬱(ウツ)なども起こりやすくなります。
今まで眠っていた悪因が春の陽光にあぶり出されて
色々出てくる季節なのです。(冬眠から目覚める季節)
身心にアレコレある方は漢方療法が効果的です。
ぜひ、ご相談ください。
ご参考に最近多い“うつ”の診断基準を記しておきます。
(アメリカ精神医学会の基準)
① 憂うつ気分
② 趣味または喜びの喪失
③体重減少(増加)、食欲不振(増加)
④不眠(過眠)
⑤精神運動制止または焦燥
⑥易疲労性または無気力
⑦無価値感・罪責感
⑧思考力や集中力減退 決断困難
⑨死について反復思考 自殺企図 自殺念慮
①②のいずれかがあり、 ③~⑨までの症状が5つ以上あって、
2週間以上続く場合となっています。